short novels
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the dreams of she


1.出会い


3.

僕はふっと笑った。
彼女は僕の隣に座ると、言葉を続ける。
「あー、今変な奴だって思ったでしょ。でも図星だよね?」
僕は何も言わなかった。それは肯定の印。
そして彼女は笑った。その笑顔は反射する海よりも眩しかった。
それから何時間経っただろうか。
今も彼女は僕の隣に居る。
どれだけ経ってもコンクリートに座ったお尻に痛みは走らない。
彼女と居ると時は止まってくれるようだ。
人見知りをする僕だったのに、彼女には不思議とそれがなかった。
数えるほど言葉は交わさなかったけれど、
彼女と心が通じた気がした。




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2006/01/18/蒼羅